HP Elite dragonfly Chromebookは、ビジネス向けの2in1タイプのChromebookです。
ビジネスノートパソコン「Dragonfly 」のChromebook版として2022年に発売されました。
法人限定で販売が行われているモデルです。
スペックと特徴は以下の通りです。
項目 | HP Elite dragonfly Chromebook |
---|---|
ディスプレイサイズ | 13.5インチ |
解像度 | 1920×1280(3:2)、画面タッチ |
CPU | Intel Core i7 1235U |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 256GB |
重さ | 1.23kg |
手書き対応 | 対応(USI) |
キーボード | JIS/US配列選択可能 |
インターフェース |
USB-C:2 |
Wi-Fi |
Wi-Fi 6E |
自動更新ポリシー | 2032/6/30 |
グレード | Plus |
カテゴリー | 法人向け |
画面のアスペクト比は情報を扱う作業の場合、閲覧のしやすさにつながっています。
縦に長ければ長いほど見やすく作業効率も高まります。
理想は3:2ですが、Chromebookに限らずほとんどのパソコンは16:10ばかり。
WindowsでもHP Dragonfly、レッツノートくらいに限られます。
そのなかで「3:2」のアスペクト比をChromebookで実現しているのは実に意義深くなっています。
HPのパソコンでユニークなのがプライバシースクリーンを内蔵していることです。
ボタン1つで正面以外から画面が見えづらくしてくれます。
企業用パソコンだとほぼ必須ですが、カバーをつけるのはなかなか大変。
それをボタン1つでできるようになっています。
Chromebookで唯一触覚トラックパッドを搭載しています。
Macのトラックパッドのように、クリックすると、アプリやウェブサイトの操作に合わせてフィードバックを返するユーザの利用法によってクリック感が変わる触覚トラックパッドになっています。
こ
の規格を採用しているのはChromebookでは「HP Elite dragonfly Chromebook」だけ。
操作する上で非常にユニークな機能になっています。
HP Elite dragonfly Chromebookのライバル機は、以下になります。
※2024年時点での現行モデルからピックアップしました。
ASUS Expertbook Chromebook CX5403
これから買う場合の比較機種は、ASUS Expertbook Chromebook CX5403になると思います。
サイズはほぼ一緒。
選ぶポイントとしては、画面のアスペクト比とCPUの世代ですね。
最新のCPUがいいのならASUS、アスペクト比3:2がいいのなら、Dragonflyがいいと思います。
項目 | HP Elite dragonfly Chromebook | ASUS Expertbook Chromebook CX5403 |
---|---|---|
ディスプレイサイズ | 13.5インチ | 14インチ |
解像度 | 1920×1280(3:2)、画面タッチ | 2560 x 1600(16:10) |
CPU | Intel Core i7 1235U | インテル Core™ Ultra 7 155U 1.7 |
メモリ | 16GB | 16GB |
ストレージ | 256GB | 512GB |
重さ | 1.23kg | 1.40 kg |
JIS/US配列選択可能 | JIS配列 | |
手書き対応 | 対応(USI) | ー |
インターフェース |
USB-C:2 |
USB-C:2
オーディオ:あり |
Wi-Fi |
Wi-Fi 6E |
Wi-Fi 6EBluetooth 5.3 |
自動更新ポリシー | 2032/6/30 | 2033/6 |
グレード | Plus | Plus |
カテゴリー | 法人向け | 法人向け |
本モデルについては、実際に所有しており一年間使っています。
以下の観点で実機レビューをお送りします。
外観は、濃い青の色合いで高級感があっていいですね。
ロゴもビジネスパソコン仕様でカッコいいですし、持っていてのラグジュアリー感というか満足感が高いです。
低密度マグネシウム/アルミニウムのハイブリッド素材というのが良いのでしょう。
Chromebookのなかではとびきりスタイリッシュだと思います。
パフォーマンスも文句なしです。
タブを50枚開いても全く動作が遅くなりませんし、ファンがついていて排熱もしっかりしているので、マルチタスクしていていきなり動作が重くなることもありません。
メモリもたっぷり16GBあるのでマルチタスクも快適です。
動作の快適度を求めるならDragonflyはめちゃくちゃアリだと思います。
ディスプレイも素晴らしいのひと言です。
とにかく最大輝度が高いので、どんな場所でも画面をクリアにみられます。
晴れている場所や周りが明るいと、みにくくなるディスプレイも多いのですが、全くの無縁です。
画面のアスペクト比も3:2なので情報量も多くて快適そのもの。
ディスプレイは最高だと思います。
拡張性もノートPCとしてば豊富で快適です。
HDMI、USB-Cポートは左右に2つ、USB-Aもついていますし、microSDとイヤホンジャックもあります。
無いのはイーサネットくらい。
モバイルということを考えれば、十分合格点の出来だと思います。
キーボードとタッチパッドの使い勝手はChromebookの中では、トップだと思います。
どちらも使いやすいです。
最近だとキーボードは、JIS配列の場合、窮屈なものが多いですが、Dragonflyは日本用にデザインされています。
US配列のを使っていますがこちらも基本に忠実で使いやすいです。
タッチパッドも大きいのでカーソルの移動も楽ですし、アプリによってクリック感が変わる仕組みがまた快適。
MacbookProのような間隔で使えるのがナイスです。
キーボードとタッチパッドの出来は文句を言ったらバチが当たるだと思います。
持ち運びのしやすさは、及第点ですね。
HP Dragonfly G4やレッツノートやLIFEBOOKを使っている方だと重く感じると思います。
とはいえ重さは、1.27kgで一般的なパソコンとしては普通。
とびきり軽くないだけです。
十分持ち運べる重さではあるので、及第点としました。
バッテリー時間は高性能な分、短めになっています。
新品時で最大4時間程度、充電回数が200回近くで2時間程度でした。
Chromebookのなかでは短めなので、評価は低め(3点)です。
これは端末と言うよりはCPUによりけりなので、しょうが無いところですね。
バッテリーはもって3時間程度と考えておくといいでしょう。
価格はハッキリいって高めです。
Core i3モデルでも20万円近くします。
安くはありませんが、高品質なボディ、使い勝手の良さを考えると価格に見合ったパフォーマンスはあると思います。
Chromebookをすでに使っていて良さも分かっている。
ハイエンドなモデルを一度試してみたい方には検討いただきたいところですね。
以上、外観・スペックレビューでした。
性能面からいくと以下の使い方がオススメです。
メモリもCPU性能も高いので、マルチタスク的な使い方がオススメです。
たとえばタブを50枚開いて、ZoomでWEB会議、画面共有すると言った使い方ですね。
エントリークラスだとタブを10枚くらい開くとメモリがいっぱい、Zoomをしながら画面共有すると画面が固まることすらありますが、HP Elite dragonfly Chromebookならそんな心配無用です。
ブラウザで画像編集や動画編集も一般的にになってきましたが、動画の変換などでそれなりの性能は必要です。
HP Elite dragonfly Chromebookなら快適に出来る性能を持っているので、ブラウジング以上の作業をこなすのにも向いています。
Steamにも対応しゲームにも対応しました。
さすがにグラボ必須のゲームは辛いですが、カジュアルなゲームは問題無し。
オールマイティに使えます。
実際に一年間使ってみましたが、リアルに感じたメリット・デメリット(注意点)が以下の5点です。
HP Elite dragonfly Chromebookの良いところは高性能でどんな作業でも快適に動作してくれるところです。
ブラウザのタブを50枚開いても動作が安定していますし、Androidも比較的快適に動きます。
ローカル性能がダイレクトに響いてくる「Linux」についても同様です。
2024年時点で存在するメジャーなツールは快適に動きます。
Chromebookで使えるツールは快適に使えるのは一番のメリットです。
2つめがChromebook Plusに対応していることですね。
2023年のモデルですが、これより前のモデルは例えハイエンドであっても「Chromebook Plus」ではなく、最新の機能は配信されません。
Chromebookは「Plus」かそうでないかで使い方が変わりますが、その「Plus」に対応していることは、活用していくためにも意義は大きいと思います。
最近は、WEBサービスとはいえど、パソコン自体の性能も必要になってきました。
Geforce Nowであれば、ストリーミングのなめらかさ、コントローラの入力速度、ディスプレイのリフレッシュレート(FPS)などは性能によってきます。
ClipChampやFlexClipなど、動画編集サービスは動画変換時も速度はパソコンの性能いかんで変わってきますが、Dragonflyであれば変換速度も早く処理可能です。
重い処理を伴うWEBアプリもとにかく快適に利用できるのはメリットといえるでしょう。
この辺の快適さはハイエンドなモデルとそうで無いモデルでもっとも差が出るところだと思います。
作りは本当に素晴らしいのですが、伴って価格が高いのはデメリットになってしまっていますね。
一番下のモデルでも20万円前後からと、Chromebookの中でも特に高額です。
Core i5モデルだと30万円近くになりますが、そこまでChromebookにだせる人は少ないのかなと思います。
他のハイエンドモデルよりも高額なのには注意です。
購入できるお店が少ないのにも注意が必要です。
個人で購入する場合、法人向けもデルを個人に卸してくれるお店のみ。
量販店やHPの直販ストアでは買えず、購入可能な場合でも受注販売で納期に一ヶ月近くかかることもザラです。
買おうと思ってすぐには買えないのには注意してください。
個人で買う場合には、以下のサイトで購入可能です。
どちらも法人向けもデルを個人向けに販売してくれるサイトです。
NTT-XはOCNが運営するショップで、法人向けChromebookを買うなら定番、楽天で買いたい場合にはISダイレクトさんが定番になっています。
法人で購入する場合には、DIS、Synnex、SoftBankから購入となります。
購入する場合は担当営業の方に問い合わせてみてください。
※HPさんに問合せする場合には、筆者(タケイ)が繋ぐことも可能です。連絡をいただけたらと思います。
「HP Elite dragonfly Chromebook」は以下のようなユーザ、使い方をするのにオススメです。
まずは、レッツノートなどでアスペクト比3:2液晶に慣れているような方ですね。
情報量の多さになれている、横長なのには耐えられない方にオススメです。
アスペクト比3:2は本当に貴重なので、この画面が好きな方には本当に合うと思います。
そしてChromebookの機能を余すことなく使いたい方。
Chrome OSの最新機能は、Chromebook Plusでないと使えない機能も出てきました。
そういったところにおしなべて対応しているので、Chrome OSをしっかり活用していきたい方にオススメです。
ピンポイントです、Chromebookでゲームをしたい方にも合うモデルです。
Steamも一部のハイエンドモデルのみですが、しっかりと対応しています。
とにかくChrome OSを活用していきたい方にオススメです。
あとは何より「HPのパソコン」が好きな方にオススメです。
Dragonflyシリーズは、ビジネスプレミアムで名高いシリーズ。
シリーズを指名買いで買っている方も多いと思います。
「HP Elite dragonfly Chromebook」はまさしく「Dragonfly」なので、歴代、HPのパソコンが好きな方なら買って後悔はしないと思います。
ロゴも格好いいですよね。
以上、HP Elite dragonfly Chromebookのレビューでした。
長くなりましたが、実際に私が使っている期間でも一番長い、使っている頻度も一番高いモデルです。
大好きなので長文になってしまいました。
なかなか手を出しづらいモデルではありますが、Chromebookの良さを分かっている方なら、気に入っていただけると思います。
ちょっとでも興味がある方はぜひチェックしてみてください!
HP Elite dragonfly Chromebookのレビューをあげている方の動画やブログを集めました。
購入の参考にどうぞ。
👉 HP Elite Dragonfly Chromebook Enterprise を実機レビュー。ビジネスユーザーにも最高峰の1台 | Tech & Device TV
👉 ビジネスにおけるChrome EnterpriseとChromebookの有用性を企業ユーザーにインタビュー | Tech & Device TV
👉 【HP EliteDragonFly Chromebookレビュー】半年間使って実感した「ハイエンドモデル」の良さ(メリット)と注意点(デメリット) - PCファン道場
👉 【西川和久の不定期コラム】Chromebook最高峰モデルの使い勝手は?「HP Elite Dragonfly Chromebook Enterprise」 - PC Watch