Chrome OS FlexとChromebook(Chrome OS)名前は似ていますが、別物のOS。
両者の違いと注意点を解説します。
Chrome OS Flexは、Googleに買収された「NeverWare」が開発した軽量OSです。
Chrome OSと同様に、Chromium OSを基盤に開発、古いWindowsやMacコンピュータを再利用するために設計されています。
元々は「Cloud Ready」という名前でしたが、2020年にGoogleが買収。
「Chrome OS Flex」という名前になりました。
Chrome OS Flexは、USBドライブを使用して簡単にインストールでき、低スペックでも動作。
また無料で提供されているため、最新のOSを実行するには性能が不足しているデバイスを利活用するためのソリューションとして人気になっています。
名前こそ似ていますが、OSは違うので機能としては以下のような違いがあります。
機能 | Chrome OS | Chrome OS Flex |
---|---|---|
対応デバイス | Chromebook専用 | WindowsおよびMacコンピュータ |
Androidアプリのサポート | あり | なし |
Linuxアプリのサポート | あり | あり |
セキュリティチップ | Googleのセキュリティチップを使用 | セキュリティチップなし |
プロセッサのサポート | Intel、AMD、ARM | Intel、AMDのみ |
インストール方法 | Chromebookにプリインストール | USBドライブを使用してインストール |
更新頻度 | 定期的な自動更新 | 同様に定期的な自動更新 |
Chrome OSは、Chromebook専用に設計されており、これらのデバイスに最適化されています。
Chromebookは、Googleが提供するハードウェアとソフトウェアの統合しており、セキュリティやパフォーマンスの面で優れています。
一方、Chrome OS Flexは、WindowsやMacコンピュータにインストール可能で、特に古いデバイスの再利用がメインです。
Chrome OS Flexは、Chromebookのような専用デバイスを必要とせず、幅広いハードウェアでの利用が可能です。
仕様は以下のようになっています。
2010年以降のパソコンであれば動作可能です。
※快適かどうかはまた別の話なのには注意してください。
項目 | 必要スペック |
---|---|
プロセッサ | IntelまたはAMDのx86-64ビットプロセッサ |
RAM | 4GB以上(マルチタスクには8GB推奨) |
内部ストレージ | 16GB以上(アプリのストレージには64GB推奨) |
USBドライブ | 8GB以上のブート可能なUSBドライブ |
BIOS | フル管理者アクセスが必要 |
グラフィックス | 2010年以前のコンポーネントは推奨されない |
インターネット接続 | 安定したインターネット接続が必要 |
Chrome OSは、Google Playストアを通じてAndroidアプリをサポートしており、多くのモバイルアプリケーションをChromebook上で利用することができます。
これにより、ユーザーはスマートフォンと同様のアプリ体験をデスクトップ環境で享受できます。
しかし、Chrome OS FlexはAndroidアプリをサポートしていません。
これは、Flexが主に古いデバイスをターゲットとしているため、ハードウェアの制約や互換性の問題が考慮されているためです。
そのため、Androidアプリの利用を重視するユーザーは、Chrome OSを搭載したChromebookを選んだ方がいいです。
Chrome OSは、Googleのセキュリティチップを使用しており、デバイスのセキュリティを強化しています。
これにより、データの保護や不正アクセスの防止が強化され、ユーザーは安心してデバイスを利用できます。
一方、Chrome OS Flexはセキュリティチップを必要としません。
Flexが既存のハードウェアにインストールされることを想定しており、セキュリティ機能がソフトウェアベースで提供されるためです。
そのため、セキュリティチップに依存しない環境での利用が可能ですが、セキュリティに関してはChrome OSの方が優れています。
個人利用では問題にならない部分ですが、企業で導入するときのハードルにはなるかもしれないところですね。
Chrome OSは、Intel、AMD、ARMプロセッサをサポートしており、さまざまなデバイスでの利用が可能です。
一方、Chrome OS Flexは、IntelおよびAMDプロセッサのみをサポートしています。
ARMプロセッサを搭載したデバイスでは動作しないため、今後ARMベースのパソコンに入れる際には注意が必要です。
Chrome OSは、Chromebookにプリインストールされており、購入時からすぐに利用可能です。
一方、Chrome OS Flexは、USBドライブを使用してインストールする必要があります。
既存のWindowsやMacデバイスに新しいOSを導入する際に便利であり、特に古いデバイスの再利用を目的としているためです。
設定方法は以下で解説しています。
なお共通点は、Linuxが使えることです。
Chrome OSと同様にLinuxの仮想環境を作成できる機能が搭載されており、OSのメニューからボタン1つで有効化できます。
手軽にLinux環境を触ってみたい、コマンドを学んでみたい、というかたにオススメです。
Chrome OSとChrome OS Flexの違いと注意点でした。
重要なのはそれぞれ異なるニーズに応じて設計されたオペレーティングシステムだということ。
名前は似ていますが、あくまで
「Chrome OS Flex≠Chromebook」
です。
Chrome OSは、Chromebook専用に最適化、Androidもサポートされていますが、Chrome OS Flexは、古いWindowsやMacコンピュータを再利用するための軽量なOSでしかありません。
特にメルカリなどでもChrome OS Flexを載せたデバイスをChromebookとして売っている方もいますが、明確に違うので注意してください。
古いデバイスのリサイクルのためにあるものと理解しておくことが大事です。