2024年2月に発売された「Lenovo Chromebox Micro」は、手のひらサイズながら高い性能と拡張性を備えたミニパソコンです。
特徴はそのコンパクトさ。0.25ℓの手のひらサイズでありながら、ファンレス筐体を採用した超小型PCとなっています
実際に1ヶ月使ってみて感じた魅力、改善点、買うべきユーザ、オススメの活用法をレビューとして紹介します。
まずはChromebook Microの特徴とスペックから紹介していきます。
一番の特徴は「コンパクトさ」です。
約0.25ℓの手のひらサイズでありながら、ファンレス筐体を採用した超小型PCとなっています。
本体の寸法は約163mm(幅)×79mm(奥行き)×19.7mm(厚さ)で、重量はわずか350gと非常に小型軽量。
Chrome OSのなかでも最小、最軽量になっています。
スペック面では、インテル Celeron N4500プロセッサー、8GBのオンボードメモリ、32GBのeMMCストレージを搭載しています。
グラフィックスはCPU内蔵のインテル UHDグラフィックスを使用。
通信面では、インテル Wi-Fi 6 AX201とBluetooth v5.2に対応し、有線LANポートも備えているため、様々な環境で安定した接続が可能です。
性能はエントリークラスですが、ブラウジングで使うには必要十分な性能になっています。
コンパクトさにも関わらず、インターフェースは充実しています。
USB Type-C 3.2 Gen 1ポートが2つ、USB 3.2 Gen 1ポートが2つ、HDMIポート、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック、RJ45(有線LAN)ポートと豊富なインターフェースを備えています。
スペック表です。
小型PCなので性能やストレージは限定的ですが、メモリ8GBでありインターフェースが豊富な点は素晴らしいといえるでしょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
ディスプレイ | ー |
プロセッサー | インテル® Celeron® N4500 プロセッサー |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 32GB eMMC |
グラフィックス | CPU内蔵(インテル® UHD グラフィックス) |
ポート |
2x USB Type-C 3.2 Gen 1 |
ネットワーク | インテル® Wi-Fi 6 AX201 a/b/g/n/ac/ax |
カメラ | - |
その他の特徴 |
約 163×79×19.7mm |
価格 | 6万6千円 |
スペックが競合するライバルに該当する機種はありません。
Chrome OSでのミニPCは「Lenovo Chromebox Micro」のみとなります。
実際に二ヶ月以上、使ってみて感じた所感を以下の観点で紹介します。
外観は小型なのが新鮮で良いですね。
正にスマホサイズなコンパクトさは他にないので目を惹きました。
ミニパソコンというよりは、製品名のとおりマイクロパソコンといった感じです。
モバイルバッテリーがそのままパソコンになっている様な外観は素晴らしいと思います。
パフォーマンス(処理速度)は、Intel N4500と2世代前のエントリークラスのCPUのため。早くはありません。
とはいえ、ブラウジングする分には全く問題無し。
メモリ8GBなのもあってか、10枚のタブを開いても閲覧は快適でした。
さすがにAndroidアプリやLinuxなどローカルで処理するようなアプリの動作はもたつきは感じましたが。
ブラウジングなら問題無し、Android、Linux利用は困難といったところですね。
ちなみに以下はOctane2.0で数値を測ってみた結果です。
でした。
5年前のハイスペックなChromebookよりも高いスコアにはなっています。
ディスプレイはついていないため、無評価とします。
拡張性は高いです。
ミニPCだと省かれがちな部分ですが、
① USB Type-C 3.2 Gen 1(Full Function)
② USB 3.2 Gen 1
③ HDMI
④ RJ45
⑤ マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
とついています。
マウス、キーボード、HDMI、ウェブカメラ、オーディオジャックにスピーカーを余すことなく、USBハブ無しで繋げられるのは、素晴らしいです。
キーボードとタッチパッドはついていないため無評価とします。
持ち運びのしやすさは文句なしです。
実際に持ち運んでみても。本当にモバイルバッテリー、スマホサイズなので全然苦になりませんでした。
感覚としてはスマホを机の上に置いている感じ。
鞄にいれるときもモバイルバッテリーと同じポケットに入れて運んでいましたが、全く苦にならなかったですね。
Chromebookなミニパソコン
Chromeboxmicroのサイズ環境は、Pixel 9Proとほぼ一緒!
カバンに忍ばせて持てる軽量性がナイスです。 pic.twitter.com/82By45Q3Pz— タケイマコト (@pcefancom) March 2, 2025
バッテリーは内蔵していないので、外部電源が必要ですが、
なのが素晴らしいです。
USB-Cケーブル1本をはわすだけでOKなので取り回しも良かったです。
コストパフォーマンスはミニPCとしてなら及第点だと感じました。
66,000円という価格は決して安くはありませんが、他に似た機種はありませんし、WindowsのミニPCと比べても10万円するミニパソコンと同じくらいのブラウジングの快適さはあります。
オリジナリティを加味すれば、安くはないけれども、高すぎない金額だと思います。
1ヶ月使ってみてよかった点、注意点をまとめると以下のようになります。
実際に手に取ってみると、スマートフォンとほぼ同じサイズ感で、厚みがあるもののポケットに入れて持ち運ぶことも可能さコンパクトさはお世辞抜きでよかったです。
重量もわずか350gと非常に軽量で、バッグに入れても全く負担になりませんでした。
デスクの上でもほとんど場所を取らなかったので、ペースを有効活用でました。ほぼスマホもしくはモバイルバッテリーなサイズは大きなメリットと感じましたね。
豊富なインターフェースを搭載しているのも良かったです。
USB Type-C 3.2 Gen 1ポートが2つ、USB 3.2 Gen 1ポートが2つ、HDMIポート、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック、そしてRJ45(有線LAN)ポートだけあると不便を感じませんでした。
特にUSB Type-Cポートは、DisplayPort Alternate Modeに対応しているため、モバイルモニターとの接続もスムーズなのが良かったですね。
小型ながらも必要な機能を削ることなく、実用的な拡張性を持ち合わせているのは、Chromebox Microの大きな魅力です。
Chromebox Microはファンレス設計を採用しており、動作音がほとんどありません。
従来のデスクトップPCやノートPCでは、ファンの回転音や振動が気になることがありましたが、Chromebox Microではそのような心配は一切ないのが素晴らしいです。
※ちなみに長時間使って熱が帯でもパフォーマンスが下がることはありませんでした。
静音性の高さは、デジタルサイネージや会議室のディスプレイ用PCとして使用する際にも大きなメリットになると思います。
Chromebox Microを使用する際に注意すべき点として、これはChromebook Plusではないということが挙げられます。
Chromebook Plusは、GoogleがAIを活用した高度な機能を提供するために導入した新しいカテゴリーですが、Chromebox Microはそれには該当しません。そのため、Google Geminiなどの最新のAI機能(クイックインサートキーでの文章校正など)が標準で利用できるわけではありません。
GoogleのAIを活用していきたい方は、Chromebook Plusを選ぶようにしましょう。
Chromebox Microは本体のみの販売となっており、キーボード、マウス、ディスプレイなどの周辺機器は別途用意する必要があります。
この機種の場合はセットでついてこないので注意してください。
※ただし、既存のUSB接続のキーボードやマウス、HDMIケーブルで接続できるディスプレイがあれば、それらを流用することは可能。Windows用のキーボードでも使えました。
特にモバイル用途で使用する場合は、持ち運びやすいコンパクトなキーボードやマウス、場合によってはポータブルモニターなども検討する必要があります。
これらの周辺機器も含めたトータルのサイズや重量を考慮することが大切です。
多くの小型PCではディスプレイの背面に取り付けるためのVESAマウント対応が一般的ですが、Chromebox Microは標準的なVESAマウント規格には対応していません。
代わりに、フックや取り付けネジに引っかけるための穴が用意されています。
※これは、デジタルサイネージ端末やキオスク端末としての利用を想定した設計ためみたいです
そのため、一般的なVESAマウントアダプターを使用してディスプレイに取り付けることはできません。ディスプレイの背面に設置したい場合は、別途マウントアダプターや固定具を工夫する必要があります。
ただし、その小ささから、ディスプレイの横や下に置いても場所を取らないため、多くの場合は大きな問題にはならないでしょう。
実際、モバイルモニターの裏に隠れてしまうくらいにコンパクトです。
実際に使ってみて、以下のような使い方がより活きると感じました。
まずオフィスや家庭での共用パソコンとして最適です。
ChromeOSはマルチユーザー対応が優れており、各ユーザーが自分のGoogleアカウントでログインするだけで、個別の環境を簡単に切り替えることができます。これにより、家族やチームメンバー間で1台のパソコンを共有する際も、プライバシーやデータの分離が確保されます。
さらに、コンパクトなサイズと静音性により、リビングやオフィスの共有スペースに設置しても邪魔になりません。
特にシフト制の職場や、家族間での共有使用などのシーンで活躍できそうと思いましたね。
Chromebox Microは、デジタルサイネージ用途に特に適していると感じました。
※本製品の本来の目的でもある
コンパクトなサイズにより、ディスプレイの背面や近くに設置しても目立ないのでスマートな設置が可能です。
防塵性能も備えているため、様々な環境での長期運用にも耐えられるのでしょうし、店舗の商品紹介、オフィスのインフォメーションボード、イベント会場の案内表示などには最適ではないかと思います。
展示会やイベントでのデモンストレーション用PCとして、Chromebox Microは非常に便利だと思います。
コンパクトで持ち運びやすいサイズ感は、限られたスペースでの展示に最適です。また、セットアップも簡単で、Googleアカウントでログインするだけですぐに使用できるため、展示会の準備時間を短縮できます。
それにWebベースのデモンストレーションやプレゼンテーションであれば、Chromebox Microでも全然余裕です。
Google SlidesやWebアプリケーションを使ってデモンストレーションすると行った場合に、理想的なデモ用PCとなると思います。
出張や外出先での作業用として、Chromebox Microはサブパソコンの役割を果たしてくれそうと感じました。
メインのノートPCに加えて、このコンパクトなPCを持ち運べば、ホテルのテレビやミーティングルームのディスプレイを活用した作業環境を簡単に構築できます。
350gという軽いので出張バッグの中でも負担になりません。また、USB Type-C給電に対応しているため、スマートフォンの充電器を流用できるのも便利。
1台、カバンに忍ばせておいても損はないかなと思います。
以上、Lenovo Chromebox Micronレビューでした!
そのコンパクトなサイズ感と実用的な性能のバランスが絶妙な製品です。
手のひらサイズながら、実用的な性能と拡張性を備えたChromebox Microは、まさに「必要十分」を体現した製品と言えるでしょう。
ガジェット好きの方はもちろん、実用性を重視するビジネスユーザーにもおすすめできる一台です。
紹介してきた「Chromebox Micro」を購入する方法を解説します。
Chromebox Microは主に法人向け製品として位置づけられており、法人として購入する場合は、正規販売代理店を通じて購入することが一般的です。
具体的には、DIS(ダイワボウ情報システム)やソフトバンクコマース&サービス(C&S)などの大手IT製品ディストリビューターの代理店に問い合わせることで、見積もりや納期の案内を受けることができます。
法人向けの購入プロセスでは、通常、営業担当者との打ち合わせを経て、具体的な仕様や数量、納期などを決定していきます。
また、法人向けには、ボリュームライセンスや特別価格が適用される場合もあるため、複数台の導入を検討している場合は特に有利です。
企業や教育機関、公共団体などで導入を検討する場合は、まずは正規販売代理店への問い合わせから始めるとよいでしょう。
個人ユーザーがChromebox Microを入手する方法としては、アメリカのAmazonなどの海外ECサイトからの個人輸入が主な選択肢となります。
日本国内では個人向けの正規販売ルートが限られているため、海外から直接購入するのが現実的な方法です。
購入するとしたら「Amazon.com」か「ebay」になります。
価格は240ドルほどが相場でした。
是非気になる方はチェックしてみてください。