Chrome OS アップデートサマリー|卒業生は学校で作成したデータを卒業後も引き続き活用が可能に

Chrome OS アップデートサマリー|卒業生は学校で作成したデータを卒業後も引き続き活用が可能に

Chrome OS Ver132のアップデート情報サマリーです。
タケイマコト
タケイマコト

Chrome OSのアップデート情報をお送りします。

 

Chrome OS Ver 132についてのアップデート情報が公開されました。

 

 

内容を紹介します。

 

 

Chrome OS Ver 132の更新情報

 

新しいオンボーディングチェックリスト


Chromebook を初めて使用するユーザーにとって、OS の初期設定は複雑に感じるかもしれません。
そこで、今回のアップデートでは、プリンターのセットアップやアクセサリの環境設定など、 Chromebook の基本的な設定項目をまとめたチェックリストが追加されました。
このチェックリストは、ユーザーが Chromebook に初めてログインした際に表示され、OS のスムーズな導入を支援します。

 

角丸ウィンドウ

 

Chromebook Plus デバイスのアプリウィンドウのデザインが刷新され、角丸が採用されました。
この変更により、OS 全体がよりモダンで洗練された外観になりました。

 

顔でマウス入力を制御


今回のアップデートで導入された「Face Control」機能は、顔の動きでカーソルを操作し、顔のジェスチャーで様々なアクションを実行できる、画期的なアクセシビリティ機能です。
設定 > アクセシビリティ > 顔による制御 から機能を有効化し、カーソル移動の感度やクリック操作に使用するジェスチャーを設定することができます。
この機能は、AI を活用して 478 の顔のポイントをリアルタイムでマッピングすることで、ユーザーの顔の動きを正確に認識します。

 

笑顔でクリックしたり、眉を上げてスクロールしたりするなど、最大 18 個のジェスチャーをサポートしており、キーボードやマウスを使わずに Chromebook を操作することが可能になります。
ChromeVox や音声入力といった既存のアクセシビリティ機能と合わせて、運動障害のあるユーザーを含め、より多くのユーザーが Chromebook を快適に利用できるよう支援します。

 

タッチパッドをオフにする

 

アクセシビリティの向上の一環として、タッチパッドをオフにする機能が追加されました。
この機能は、スクリーンリーダーを使用しているユーザーや、誤ってタッチパッドに触れてしまうことで意図しない操作をしてしまうユーザーにとって特に役立ちます。
設定 > アクセシビリティ > カーソルとタッチパッド から、タッチパッドを完全にオフにしたり、外付けマウスが接続されているときに自動的にオフにしたりすることができます。

 

ChromeOS のパスワードなし認証


ChromeOS デバイスへのログイン方法に、PIN またはローカルパスワードを使用するオプションが追加されました。
これにより、デバイスのログインに Google アカウントのパスワードを使用する必要がなくなり、セキュリティと利便性が向上します。
従来、ChromeOS デバイスへのログインには Google アカウントのパスワードが使用されていましたが、この方法では、デバイスのセキュリティが Google アカウントのセキュリティに依存していました。
PIN またはローカルパスワードを使用することで、デバイスのログインと Google アカウントを分離し、より安全なログイン環境を実現できます。ただし、管理対象デバイスでは PIN 機能を有効にすることはできません。

 

卒業生向けのデータ移行

 

ChromeOS 132 以降、卒業生や EDU 管理対象ユーザーが、更新された Google Takeout Transfer プロセスを通じて、自身のデータを個人アカウントに簡単に移行できるようになりました。
この機能により、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Gmail のコンテンツを、選択した Gmail アカウントに移動することができます。
新しいコンテンツ転送ツールは、学校の管理者がシェルフにアイコンを固定したり、Chromebook の生徒と教職員に通知を送信したり、これらの通知をトリガーする日付を設定してコンテンツ転送の使用を促したりすることができます。
これにより、卒業生は学校で作成したデータを卒業後も引き続き活用することができ、教育機関における Chromebook の利便性がさらに高まります。

 

デバイス管理の改善

 

ChromeOS M132 では、デバイス管理機能も強化されました。
アイドル状態のデバイスのリモート管理: 管理者は、アイドル状態のデバイスに対してリモートで電源を切ったり、再起動したり、更新プログラムをインストールしたりできるようになりました。
ChromeOS デバイスの Bedtime Hours ポリシー: 管理者は、デバイスの使用を制限する時間帯を設定できるようになりました。
このポリシーは、学生が就寝時間に Chromebook を使用することを防ぐために役立ちます。

 

ロックされたデバイスでの管理情報の開示の改善:

 

ロックされたデバイスに、デバイスの管理者に関する情報が表示されるようになりました。
これにより、ユーザーはデバイスが誰によって管理されているかを簡単に確認できます。
これらの機能強化により、管理者は ChromeOS デバイスをより効率的に管理し、セキュリティを向上させることができます。

 

Explore からアプリの発見を削除


ChromeOS 132 では、Explore アプリのアプリとゲームモジュールが削除されました。
ChromeOS デバイス用の新しいアプリを見つけるには、https://discover.apps.chrome にアクセスしてください。

 

 

Native Client (NaCl) のサポート終了

 

ChromeOS M132 では、Native Client (NaCl) のサポートが終了しました。Native Client は、ウェブブラウザ内でネイティブコードを実行するための技術でしたが、セキュリティ上の懸念から廃止されることになりました。
NaCl を使用していたアプリケーションは、今後 ChromeOS で動作しなくなる可能性があります。

 

まとめ|

ChromeOS M132 は、ユーザーエクスペリエンス、アクセシビリティ、セキュリティ、そして管理機能など、多岐にわたる改善を含む重要なアップデートです。

 

Face Controlは、運動障害のあるユーザーにとって ChromeOS デバイスをよりアクセスしやすくする画期的な機能であり、ChromeOS がインクルーシブな OS であることを示しています。
卒業生向けのデータ移行ツールは、教育機関における Chromebook の利便性をさらに高め、学生の学習活動をサポートします。
企業向けの Chrome ウェブストアのカスタマイズ機能やデバイス管理機能の強化は、ビジネスシーンでの ChromeOS の活用を促進するでしょう。

 

これらのアップデートにより、ChromeOS は、学生、ビジネスパーソン、そしてアクセシビリティを必要とするユーザーなど、より幅広いユーザーにとって、より使いやすく、生産性の高い OS になっています。

 

特に卒業生向けのデータ移行ツールは、学校で使っている学生さん向けにありがたいツールになりそうです。
Chromebookで絵を描いたり、作成したドキュメントなど思い出深いモノもおおく、卒業したらデータが消えて悲しい思いをする方も多いようなので。

 

機能の展開は地域、機種によって異なりますが、今後のアップデートに期待しましょう。

 

引用文献

 

1. Introducing ChromeOS M132 to The Stable Channel - Chromebook Community,
  https://support.google.com/chromebook/thread/320095456/introducing-chromeos-m132-to-the-stable-channel
2. Release notes for ChromeOS 132 reveal some fun changes to the OS - Chrome Unboxed,
  https://chromeunboxed.com/release-notes-for-chromeos-132-reveal-some-fun-changes-to-the-os/
3. Your Chromebook now lets you control it without lifting a finger - Android Authority, 1月 24, 2025にアクセス
  https://www.androidauthority.com/google-chromebook-face-control-3517717/
4. Chrome Enterprise and Education release notes - ChromeOS - Google Help, 1月 24, 2025にアクセス
  https://support.google.com/chrome/a/answer/7679408?hl=en&co=CHROME_ENTERPRISE._Product%3DChromeOS